エピジェネティクスと三毛猫

エピジェネティクス

エピジェネティクスを三毛猫で説明したいと思います。
何?何?エピジェネティクスって?

そうですよね、そう思いますよね。
当然です。

なんでそんなもの知らなきゃいけないの?
・・・いえ、いけないわけではありませんが、これからの時代、自分の体を考える上で入用な概念になるからです・・・
これを上手に利用すると色々有益なことがあるのです。
この回ですぐにご利益があるという訳ではないのですが、今回は一番有名で簡単な例を紹介します。
「ふ~~ん」って流すだけでOKですよ。

エピジェネティクスは、Wikipediaではこう書いてあります(ここ、流していいですよ)。

「エピジェネティクス英語: epigenetics)とは、一般的には「DNA塩基配列の変化を伴わない細胞分裂後も継承される遺伝子発現あるいは細胞表現型の変化を研究する学問領域」である[1][2]。ただし、歴史的な用法や研究者による定義の違いもあり、その内容は必ずしも一致したものではない[3]。」

「訳わからん」・・・と思いますよね。
では、三毛猫は皆さんよくご存じと思います。
三毛猫って、適度によく見かけますよね。
実は、この三毛猫ってエピジェネティクスの説明の代表例なのです。

猫の「茶色(オレンジという)」と「黒」を規定する遺伝子は、X染色体上に存在します。
ネコも人と同じで性別を決める染色体が2本存在して、それがXXだと雌にXYだと雄になります。
ちなみに、染色体の数は、ヒトは46本で、ネコは38本です。
性別を規定する染色体を性染色体と言い、性染色体以外の染色体を常染色体と言います。
常染色体はヒトが44本、ネコは36本で、それに性染色体が各々2本あるのです。
ネコが受精をして、父ネコからX染色体を1本、母ネコからもX染色体を1本貰った時には、子猫はメスになります。
そして、2本あるX染色体上の1本にオレンジ、もう一本に黒の遺伝子があり、かつ、白色をスポット(斑)で発現する遺伝子も別に持っている場合に三毛猫になるのです。

そして、ネコの受精卵がある程度分割した時に、各細胞の中にある2本ずつあるX染色体のうち1本がランダムに不活化します。
なので、各細胞の中で働いている性染色体(X染色体)は1本だけになるのです。
この「不活性化(働かなくなる事)」がエピジェネティクスなのです。

ここから先は、少しだけ難しい話になるので、興味がある人だけお読みください。

片親から「オレンジ」を、もう片親から「黒」を受け取ったネコは、全部の細胞内に両方の遺伝子を持っています。
なので、DNA配列の変化が起きているわけでもないですし、当然細胞分裂後も形容されていきます。なのでこの変化はエピジェネティクスな変化と言えます。
仮に、父方から「黒」を母方から「オレンジ」を受け取ったネコの場合(もちろん逆でも構わないのですが)、
父方のX染色体が不活化された細胞では、母方のX染色体上に乗っているオレンジだけが発現して、その部分はオレンジになります。
母方のX染色体が不活化された細胞の場合、父方のX染色体上に乗っている黒色だけが発現して、その部分は黒になります。このエピジェネティクスが終了した後の細胞分裂では、父方のX染色体が不活化された細胞が分裂しても、父方のX染色体は不活化されたままで、母方も同様になります。
なので、オレンジや黒の色がある程度の面積を持っているのです。

こうして一つの個体(一頭のネコ)の中でオレンジの部分と黒い部分に分かれて生まれてくるのです。

三毛猫
白とオレンジと黒を持つ三毛猫(ナスは関係ありません)

 

シルバーの三毛猫
黒ではなくシルバーの三毛猫もいます。

もし、白色をスポット(斑)で発現する遺伝子を持っていなかった場合には、二毛とかサビとか言われる色合いになります。

二毛猫(通称サビ猫)
白いスポット(斑)の遺伝子が無い、二毛猫(通称サビ猫)・・・猫友の猫。

この子は元々具合が悪かったのですが、2019年05月21日、突然のように虹の橋を渡ってしまったそうです・・・ご冥福をお祈りいたします。

猫の毛色にご興味がる方がいらしたら、
ネコの毛並み―毛色多型と分布 (ポピュラー・サイエンス) 単行本 – 1996/3野沢 謙  (著)  が面白いです。